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コラム

【”民泊”について】

2016年01月22日

2020年の東京オリンピックに向けて、外国人による投資用のマンション購入が増えています。
また、昨年からよく耳にする“民泊”、これも、投資用物件を利用できないか、事業に活用できないか、と考える外国人の方も多いようです。

ここで、“民泊”の現状について簡単にまとめてみました。

1、民泊とは…

明確な定義はありませんが、イメージとしては、旅館やホテル以外の部屋(自宅や空き家等)に人を泊まらせることになると思います。
これが、自分の友人を個人的に泊めたり、ホームステイである場合、現状の法律下において、違法とはみなされません。
では、ここで料金を徴収したり、これらを業として行う場合はどうでしょうか?
この場合、「旅館業法」に違反している可能性が高まります。

2、旅館業法とは…

旅館業法とは、旅館やホテルを経営する場合に取得すべき許認可で、一定の要件が定められ、許可を取得するためには行政への申請が必要となります。
どういうものが旅館業法に当たるのかといいますと、
・宿泊料(または実質的に宿泊料とみなされる料金)を徴収している
・社会性がある(HP等で公に客を募集している場合等)
・反復継続性がある(ビジネスとして行っている場合)
・当該物件が生活の本拠ではない(すむわけではなく、あくまでも一時的に宿泊させている)
これらに該当するものは、旅行業許可取得の対象となるため、今世の中に出回っている“民泊ビジネス”はほとんど違法と言えますね。

3、民泊の規制緩和

しかし、実質的に外国人観光客が急増している日本で民泊の需要は高まっており、あまりに厳しく規制してしまうのもどうなんだろう…ということで、特定の場所に限って規制緩和ができるよう制定されたのが、「国家戦略特別区域法」で、現在は東京圏や関西圏、愛知県等がその特区として指定されています。
そして、特区における民泊を適法に実施させるために、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」(いわゆる特区民泊)について「条例」を定めることを求めています。

4、民泊条例の実態
「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」に関する条例(通称、民泊条例)について、東京都では大田区が昨年12月14日に先陣を切って条例を公布・施行しました。
また、特区民泊として認定されるための要件もHPで公開しています。それによると、
<認定要件>
○賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき使用させるものであること。
○施設の居室の要件等  
・一居室の床面積25平方メートル以上であること。  
・出入口及び窓は、鍵をかけることができるものであること。  
・出入口及び窓を除き、居室と他の居室、廊下等との境は、壁造りであること。  
・適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有すること。  
・台所、浴室、便所及び洗面設備を有すること。  
・寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること。  
・施設の使用の開始時に清潔な居室を提供すること。  
・施設の使用方法に関する外国語を用いた案内、緊急時における外国語を用いた情報提供その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供すること。
○ 当該事業の一部が旅館業法 第二条第一項 に規定する旅館業に該当するものであること。
○ 滞在期間が6泊7日以上であること。
○ 建築基準法上「ホテル・旅館」が建築可能な用途地域であること。

となっています。

5、ホテルや旅館と民泊との違い

これらを見ると、民泊事業は旅館業法の規定が適用されない、旅館業法の特例に基づいたものになります。そして、最も大きな違いは、「滞在期間」ではないでしょうか。
民泊認定を受けるためには、「6泊7日以上の滞在期間」が必要となるのです。 しかし、民泊利用希望者が実際に同じ施設に6泊7日以上の滞在を希望するのかと考えると、実情を鑑みるとそのような利用客は少数派ではないでしょうか。
そうなると、たとえこの民泊認定を取得しても、現在皆さんが想像しているような民泊ビジネスとはかけ離れたものになってしまいます。

6、最後に

民泊事業を開始するには、法的な問題もありますが、それ以外にも解決すべき問題点は多く存在します。
多くの外国人に「日本人は親切だ」と称される日本の国民性ですが、正確に言うと、「日本に悪影響を与えない外国人(お客様)には親切にすべきだと思っている」といったほうがいいでしょうか。
つまり、多くの日本人は、日本に来てくれる観光客を大切にしようとは思っていますが、もしその外国人が日本のマナーを守らなかったり他人に迷惑をかけ、平穏な日常生活を壊されるくらいなら、いっそ来てくれなくてもいいとさえ思っている節があります。
既に、違法に“民泊”を行っている現状で、宿泊者のマナー違反による近隣住民とのトラブルが問題になっています。これらのニュースの影響も受けて、多くの日本人は、「できれば自分の近隣で民泊事業をやることには反対だ」と考えているのです。
また、多くの分譲マンションでは、専ら住居用に使用するという管理規約が存在し、民泊ビジネスへのようなビジネス利用を制限しています。
もし今後民泊ビジネスを行いたい場合、これらの問題を1つ1つ解決していく必要があるのですが、その道のりも簡単ではなさそうです。

いずれにせよ、今後の行政の動向を見守る必要がありそうです。

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【帰化申請】法務局による実地調査

2015年08月28日

 

帰化申請では、申請後、法務局担当官による面談や日本語テスト、家庭訪問や職場の実地調査が行われます。

特にここ最近、就労ビザを持っている方が帰化申請をする場合、職場の実地調査が以前に比べて詳細に行われている印象です。
 ビザの実態に則した業務を行っているのか、どのような職場で働いているのか、電話や実際の訪問による調査が行われているのを、以前より多く耳にするようになりました。

当然ながら、日本に在留する外国人は何らかのビザが必要で、 そのビザの種類によって活動できる範囲が限られてきます。
その点について、違反が無いのか、これは帰化申請においてもかなり厳しくチェックされる項目になっています。

せっかくたくさんの書類を苦労して集めて申請しても、 担当官の実地調査によって疑わしい点が見つかれば、申請の取下げを勧告される場合もあります。

将来的に帰化申請を希望される方の場合は、普段から在留資格についてきちんと理解し、帰化申請に備えるようにしましょう。

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【古物商許可】外国人が古物商許可の必要な事業を営む場合

2015年05月19日

たとえば、外国人の方が「経営・管理ビザ」を取得して事業を行うのに、その事業内容が「古物商許可」の必要なものだった場合、どのタイミングで申請を行えばいいのでしょうか。

古物商許可は、その代表者が「経営・管理ビザ」を取得した後出なければ、申請ができません。 ですので、ビザを申請し、許可が下りた時点で、古物商許可を申請していくことになります。

ですので、古物商許可をメイン事業をされる場合、 ビザを取得してもすぐには事業を開始できない場合もありますので、ご注意くださいね。

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【経営管理ビザ】許認可への影響について

2015年04月30日

経営管理ビザを取得して、日本で事業をしていきたいと思ってらっしゃる外国人の方、 どのような事業をするのか、どのようなものを取り扱っていくのか、場合によっては許認可が必要なものもあります。

たとえば、下記の場合はそれぞれ許認可が必要になる可能性があります。

中古品を買い取って、海外へ輸出したい→古物商許可

日本で不動産の売買をしたい→宅地建物取引業許可

海外の化粧品を日本で販売したい→化粧品業許可

などなど。

よって、場合によっては、ビザ申請の際にも許認可取得の有無が確認されることもありますので、十分ご注意くださいね。

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