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【コラム】日本の医療費について

2016年02月24日

相変わらず、本国の両親を呼び寄せたい、という問合せを多くいただいています。 両親を「家族滞在ビザ」で呼び寄せることはできないため、本人の身分関係や就労によるビザでない限り、「医療滞在ビザ」や「特定活動(老親扶養)ビザ」が該当してきます。

「医療滞在ビザ」は、入院や通院のために来日することが目的であるため、原則として医療費は全額自分で負担することになります。 よって、特に通院や入院の予定がない場合は、「特定活動(老親扶養)ビザ」を希望されるのですが、「特定活動(老親扶養)ビザ」の場合は、国民健康保険等への加入が可能になるため、保険への加入を目的として「特定活動(老親扶養)ビザ」の取得を希望される外国人の方が多いのが現状です。

ここで、現在の日本の医療保険制度や国民医療費の現状について触れておきます。

2013年現在、日本の国民医療費総額は40兆円といわれています。 そのうち、後期高齢者(75歳以上)の医療費は13兆円となっています。 医療費40兆円の財源は、公費は約15兆5千億円(国庫:約10兆円、地方:約5兆円)となっており、この額は年々増額しています。 また、人口一人当たりの平均医療費は、65歳未満で約17.8万円なのに対し、65歳以上では72万5千円と約4倍に跳ね上がります。

ちなみに、日本人の2014年の平均寿命は、女性86.83歳、男性80.50歳とされています。 ただ、平均寿命というのは、2014年に生まれた赤ちゃんが●歳まで生きるだろう、という寿命なので、現在80歳のおばあちゃんの余命があと6年ちょっとというわけではありません。 平均余命で見ると、2014年時点で、80歳の方の平均余命は、女性11.71歳、男性8.79歳、つまり男女共に90歳前後までは生きていられる、ということになります。 しかし、健康寿命を見てみますと、女性は最後の13年、男性は最後の9年余りは何らかの病気を抱えることになるといわれており、90歳前後まで生きられるとしても、男女共に70代後半(後期高齢者)から医療費が増えていく可能性が高くなるのです。

医療保険に加入していると、医療費の窓口負担は、前期高齢者(65歳以上75歳未満)で2割、後期高齢者(75歳以上)で1割ですので、日本の医療保険制度が非常に魅力的なのはわかります。 しかし、超高齢化社会といわれ、日本の高齢者にかかる医療費負担が非常に深刻になっており、日本の財政が逼迫している現在、いたずらに高齢の外国人を招聘し、医療保険に加入させ、税金の支出を増やすことについて、日本国として否定的になっても当然です。

個々の事情をうかがうと、ご両親を呼び寄せたいという気持ちは痛いほどにわかりますが、日本の以上の状況を考えると、外国人の方の「特定活動(老親扶養)ビザ」の発給の基準は非常に厳しいものになっていることをご理解いただければと思います。

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