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【コラム】就労ビザにおける受入機関の義務について

2016年05月09日

外国人が日本で就労するために、就労ビザがありますが、ほとんどの就労ビザが、学歴や職歴などの要件があります。 しかし、「技能実習ビザ」については、学歴や職歴が特に問われず、あっせん機関を通して日本での技能取得等を目的に就労することが可能です。

しかし、とても問題の多いビザであるのも事実で、いろいろな問題を抱えています。 例えば、 ・就労先を選ぶことができない ・就労先の条件が悪く、期間内であっても逃げ出す実習生がいる(その後、不法就労や不法残留を行うことがある) 等です。

特に、搾取ともいえる就労先の労働条件の悪さについては、たびたびニュースでも報道されるように、日本という国が技能実習制度を続けていく上での大きな課題となっています。 このため、国としても、制度の厳格化やルール順守の徹底を求めていますが、それでも法の抜け穴をくぐるように、外国人労働者を搾取するような受け入れ先やあっせん業者は後を絶ちません。

結果として、実習生が逃げ出し、罪を犯してしまうケースや、なんとか実習期間を終えて帰国しても、日本に対する印象が悪く、対日感情の悪化につながってしまうケースがあります。 これらは、日本側及び外国人本人の双方にとって、決して望ましいことではなく、早急な改善が求められます。

そして、技能実習ビザとは無関係に思えるほかの就労ビザについても、これらの現象のあおりを受けることがあります。

そもそも就労ビザの要件の中にある、「一定以上の報酬(ビザの種類によって異なる)を支払うこと」というものは、外国人労働者の権利を守る意味が強く、 招へい機関や就労機関がこれらのルールを守らないようなケースが続くと、ビザ審査の上でも、本当に規定の報酬が支払われるのか(変更申請や認定申請の場合)、支払われているのか(更新申請の場合)がより厳格に審査される傾向にあります。

一旦外国人就労者を受け入れた企業や機関については、 その外国人の就労環境を整え、管理・監督をきちんと行う義務があります。 それらを怠ると、日本側にとっても外国人本人にとっても、住みにくい環境をもたらしてしまうことになってしまうのです。

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