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【コラム】両親の呼び寄せ(特定活動ビザ/老親扶養)について

2016年01月29日

最近、本国に住む両親(または片親)を日本に呼ぶことはできないか、というご相談が、本当に増えています。
年老いた親が、本国で生活しているのは、とても心配ですよね。
そのため、「特定活動(老親扶養)」ビザの申請を検討する方が、増えています。
できれば自分の近くで面倒を見てあげたい、と思う気持ちは十分に理解できます。

しかし、ここで問題になってくるのが、「老親扶養ビザ」で呼んだ際の、日本国への負担です。

 日本は、現在深刻な高齢化を迎えており、中でも高齢者の医療費について、税金を逼迫することが問題になっています。

日本の医療保険(健康保険、国民健康保険等)は、原則として全員に加入義務があり、加入することで、医療費の負担が一部ですむという利点があります。
ご相談を受けるケースでも、「老親扶養ビザ」を申請する目的の一つとして、「健康保険に加入させたいから」というのがあるようです。

両親を呼ぶ手段として、他には「短期滞在」や「医療滞在」等がありますが、これらのビザでは、いずれも健康保険に加入することができないケースが多く、医療費は実費払いとなります。
また、滞在できる期間が限られているのも欠点です。

よって、「老親扶養ビザ」の取得を希望することになるのですが、
一方で、日本国としては、「老親扶養ビザ」を許可することは、現在問題になっている国の医療費負担の問題を更に加速させてしまうことになりかねず、簡単に許可するわけにはいきません。
よって、「老親扶養ビザ」の許可は年々厳しくなる傾向にあります。

例えば、
「両親を呼びたい」→「二人でお互いを支えあって生活できるのではないか」
「一人っ子だから、他に面倒を見てくれる人がいない」→「親本人に兄弟はいないのか」
「病気や障害があるから心配」→「老親扶養ビザではなく、医療滞在ビザが該当しないか」
「65歳で高齢、持病もあり心配」→「日本の概念では、65歳はまだまだ働いている人も多いし、一概に高齢とはいえない」
「扶養側に経済力はあるが、共働き」→「日中は誰が面倒を見るのか。ヘルパーを雇うのであれば、その経済力で、本国でヘルパーを雇うか、老人ホームに入れればいい」
「小さい子どもがいるので、親に面倒を見て欲しい」→「そもそも『扶養対象とする』という老親扶養ビザに該当しない」

など、少々乱暴な言い分もありますが、よほどの事情がないと「老親扶養ビザ」は許可されないというのが現実です。

しかし、申請してみないとどうなるかわからないため、みなさんとにかく考えうる事情を列挙して、申請してみるのですが、結果として、理論的な説明よりも感情的な説明が多く、情に訴える内容になることが多いみたいです。

そして、残念ながら、情に訴えて許可してもらえるほど簡単な申請ではありません。

それでもチャレンジしてみたいという場合は、もちろん当社としては誠心誠意お手伝いをさせていただきます。
しかし、上記の事情をよくよく理解した上で、お申込みいただきますよう、お願いいたします。

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【”民泊”について】

2016年01月22日

2020年の東京オリンピックに向けて、外国人による投資用のマンション購入が増えています。
また、昨年からよく耳にする“民泊”、これも、投資用物件を利用できないか、事業に活用できないか、と考える外国人の方も多いようです。

ここで、“民泊”の現状について簡単にまとめてみました。

1、民泊とは…

明確な定義はありませんが、イメージとしては、旅館やホテル以外の部屋(自宅や空き家等)に人を泊まらせることになると思います。
これが、自分の友人を個人的に泊めたり、ホームステイである場合、現状の法律下において、違法とはみなされません。
では、ここで料金を徴収したり、これらを業として行う場合はどうでしょうか?
この場合、「旅館業法」に違反している可能性が高まります。

2、旅館業法とは…

旅館業法とは、旅館やホテルを経営する場合に取得すべき許認可で、一定の要件が定められ、許可を取得するためには行政への申請が必要となります。
どういうものが旅館業法に当たるのかといいますと、
・宿泊料(または実質的に宿泊料とみなされる料金)を徴収している
・社会性がある(HP等で公に客を募集している場合等)
・反復継続性がある(ビジネスとして行っている場合)
・当該物件が生活の本拠ではない(すむわけではなく、あくまでも一時的に宿泊させている)
これらに該当するものは、旅行業許可取得の対象となるため、今世の中に出回っている“民泊ビジネス”はほとんど違法と言えますね。

3、民泊の規制緩和

しかし、実質的に外国人観光客が急増している日本で民泊の需要は高まっており、あまりに厳しく規制してしまうのもどうなんだろう…ということで、特定の場所に限って規制緩和ができるよう制定されたのが、「国家戦略特別区域法」で、現在は東京圏や関西圏、愛知県等がその特区として指定されています。
そして、特区における民泊を適法に実施させるために、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」(いわゆる特区民泊)について「条例」を定めることを求めています。

4、民泊条例の実態
「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」に関する条例(通称、民泊条例)について、東京都では大田区が昨年12月14日に先陣を切って条例を公布・施行しました。
また、特区民泊として認定されるための要件もHPで公開しています。それによると、
<認定要件>
○賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき使用させるものであること。
○施設の居室の要件等  
・一居室の床面積25平方メートル以上であること。  
・出入口及び窓は、鍵をかけることができるものであること。  
・出入口及び窓を除き、居室と他の居室、廊下等との境は、壁造りであること。  
・適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有すること。  
・台所、浴室、便所及び洗面設備を有すること。  
・寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること。  
・施設の使用の開始時に清潔な居室を提供すること。  
・施設の使用方法に関する外国語を用いた案内、緊急時における外国語を用いた情報提供その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供すること。
○ 当該事業の一部が旅館業法 第二条第一項 に規定する旅館業に該当するものであること。
○ 滞在期間が6泊7日以上であること。
○ 建築基準法上「ホテル・旅館」が建築可能な用途地域であること。

となっています。

5、ホテルや旅館と民泊との違い

これらを見ると、民泊事業は旅館業法の規定が適用されない、旅館業法の特例に基づいたものになります。そして、最も大きな違いは、「滞在期間」ではないでしょうか。
民泊認定を受けるためには、「6泊7日以上の滞在期間」が必要となるのです。 しかし、民泊利用希望者が実際に同じ施設に6泊7日以上の滞在を希望するのかと考えると、実情を鑑みるとそのような利用客は少数派ではないでしょうか。
そうなると、たとえこの民泊認定を取得しても、現在皆さんが想像しているような民泊ビジネスとはかけ離れたものになってしまいます。

6、最後に

民泊事業を開始するには、法的な問題もありますが、それ以外にも解決すべき問題点は多く存在します。
多くの外国人に「日本人は親切だ」と称される日本の国民性ですが、正確に言うと、「日本に悪影響を与えない外国人(お客様)には親切にすべきだと思っている」といったほうがいいでしょうか。
つまり、多くの日本人は、日本に来てくれる観光客を大切にしようとは思っていますが、もしその外国人が日本のマナーを守らなかったり他人に迷惑をかけ、平穏な日常生活を壊されるくらいなら、いっそ来てくれなくてもいいとさえ思っている節があります。
既に、違法に“民泊”を行っている現状で、宿泊者のマナー違反による近隣住民とのトラブルが問題になっています。これらのニュースの影響も受けて、多くの日本人は、「できれば自分の近隣で民泊事業をやることには反対だ」と考えているのです。
また、多くの分譲マンションでは、専ら住居用に使用するという管理規約が存在し、民泊ビジネスへのようなビジネス利用を制限しています。
もし今後民泊ビジネスを行いたい場合、これらの問題を1つ1つ解決していく必要があるのですが、その道のりも簡単ではなさそうです。

いずれにせよ、今後の行政の動向を見守る必要がありそうです。

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【コラム】偽装在留カードについて

2015年10月30日

外国人登録証明書から在留カードに変更になって、はや3年が過ぎました。
巷では、既に偽装在留カードが出回っているようです。
という当社でも、先日怪しい在留カードを見ました!(汗)…

外国人を雇用される雇用主の方は、原則在留カードを確認する義務があり、それを怠って就労してはいけない者を雇用した場合は、罰則もあるのです。

なお、偽装在留カードの見分け方について、入国管理局から文書が発表されています。 念のため、確認しておきましょう!

http://www.immi-moj.go.jp/newimm…/…/zairyu_syomei_mikata.pdf

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【コラム】中国の両親を呼び寄せるには

2015年10月29日

中国の古い言葉に「儿行千里母但憂、母行千里儿不愁」(子どもが遠方に出かけると、母親はいつも子を気にかける。母が遠方に出かけても、子どもは心配しない)というのがあります。
しかし、現実はそうでもないようで、多くの子どもたちは、まだまだ親孝行です。毎日多くの在日中国人から、どうしたら父母を日本に呼んで長期間滞在させることができるか、という問合せを受けます。

血縁関係を理由にしたビザ申請には、以下のものがあります。

①日本にいる孫の面倒を見るための「特定活動」ビザ
このビザの要件は3つです。
●子どもが日本で高度「高度人材・高度専門職」のビザを持っている
●子どもの家庭の年収が800万円以上である
●孫の年齢が7歳未満である

よって、この条件からわかるように、孫が7歳を超えたら、これを理由にそれ以上滞在することはできなくなってしまいます。

②日本にいる子どもから扶養を受けることを目的とした「特定活動」ビザ
最も多いのが、このお問合せです。
これは、①が両親のお手伝いを必要としていることとは反対に、両親が子どもの扶養を必要としているという状況なので、同じ「特定活動」の在留資格でも、まったく性格の違ったものになります。 このビザは一般的に「老親扶養」とも呼ばれ、主な要件は以下のようになります。

●高齢であること。
一般的には、70歳以上であることが要求されています。
なお、両親ともに70歳以上であっても、二人共を呼び寄せるための申請は非常に困難であるといえます。なぜなら、二人いるなら、お互いに支えあっていけるだろう、と思われるからです。
また、病気があることを理由に申請するのも困難です。なぜなら、病気の治療が目的であれば、「医療滞在ビザ」を申請するように進められるからです。

●本国に他に扶養できる者がいないこと
これは、一人っ子であるだけではなく、両親の兄弟姉妹が面倒を見ることはできないのか、まで言及されることもあります。

●日本にいる子どもに十分な不要能力があること
両親が来日しても、十分に面倒をみれるだけの収入があるかが問われます。

●日本にいる子どもが、扶養する状況に適しているか
これは少しわかりにくいかもしれませんが、例えば日本にいる子どもが働いていて、出張が多くて、あまり家にいない…となれば、親は日本にいても結局一人ぼっち、何かあったときに誰が面倒を見るの?となります。これは好ましい状況とはいえません。

よって、これらを総合すると、理想的な申請条件としては、
①単親である
②70歳以上である
③軽度な老人特有の病気がある
④日本にいる子どもが既婚で、一方が専業主婦/主夫である。
⑤子どもの収入が500万円以上で、扶養人数は2名以内(通常は配偶者と子)である

これらを全て満たしている状況です。

逆に、これらうち1つでも欠けていると、かなり厳しい申請になると思ったほうがいいでしょう。

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【コラム】国外居住親族の扶養控除について

2015年10月23日

国外に居住している親族を扶養親族として申告する場合の要件が、平成28年以降厳しくなります。

詳しくは、当グループの税理士法人「BLUE SKY」監修の以下の文書をご覧ください。

https://kofuku-gyoseisyoshi.jp/wp-content/uploads/2015/10/57b7d281dfcadc88e9d1124cd9c3dc80.pdf

 

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